
近年、アパート・マンションにおける賃貸物件の空室率は増加傾向にあります。
所有物件に空室が出れば、家賃収入が入ってきません。
「空室が出るのを防ぐ方法は?」
「どうすれば空室に新たな入居者が決まるのか?」
「出来るだけコストは抑えたい」
ここでは、空室対策に役立つアイデアを7つご紹介します。

募集をしてもなかなか入居者が決まらない場合には、空室対策として入居者のターゲットを見直すことを検討してみましょう。
・単身者
・学生
・社会人
・女性
・男性
・ファミリー
・高齢者
・外国籍

どんな層を入居者ターゲットとするかによって、必要とされる設備・内装・家賃等が違ってきます。
物件があるエリアには、どのような入居希望者が多く、どんな部屋が人気なのか。
ペットを飼いたい入居者や増加傾向にある外国人労働者、高齢者など、ターゲットを絞る、逆に入居者の幅を広げることで、費用をかけずに空室対策が可能です。
それぞれの入居者層のニーズはどんなのがあるか。それらを見極めながら、プランを設計したり、設備投資やリフォーム計画を立てることが、長期安定経営につながります。

近年、不動産会社への訪問や物件見学といった対面の方法で物件を探す人は減ってきており、ネット上の物件情報を検索して決める方が増えています。
そのため、新しく部屋探しをしている人が、賃貸物件の検索サイトに掲載されているアパートやマンションに内見に行くかどうかは、そこに掲載されている情報や写真が判断材料になってきます。
だからこそ、物件情報は目を引くものである必要があるので、常に掲載状況は確認して、改善が必要であれば行なっていかなくてはなりません。
掲載情報が古くなっていないか、写真がわかりにくくないか、リフォーム・リノベーション前の写真を掲載していないか、見直しをしてみましょう。


空室対策として家賃や敷金・礼金などの金額面を変更することは、直接集客効果に結びつきやすい方法です。
最近では、敷金・礼金がかからない物件も増えてきており、それにお得感を感じて検索条件に『敷金・礼金なし』とする人も多くなっています。
ただし、敷金に関しては結果として『原状回復費用』が必要であれば受け取る形になるので、
それを理解している人は最初に敷金がかかっても最終的に修繕費がかからなければ戻ってくるので気にしない人もいます。

家賃の見直しといっても、ただ下げるだけが空室対策ではありません。
家賃を最安値まで下げてしまうと、その地域の賃貸市場を崩壊させる危険性に加えて、価格競争を激しくさせるというリスクがあります。
同条件の物件に比較して、所有物件の家賃が高い場合は、同水準またはやや安い程度に家賃を下げることで効果は見込めるでしょう。

入居者が住まいを決めるときに、窓口になるのが仲介会社です。仲介会社の頑張りによって、空室が埋まりやすくなります。
AD(広告料)やB(バックマージン)といった名目で、入居者を決めてくれた仲介会社にインセンティブを払うことが慣習になっているエリアがあります。法的にはグレーゾーン(※)ですが、、、
近年では、仲介手数料を入居者さまから戴いていない仲介会社が増加傾向にあること、賃貸住宅の競合が激しいエリアでは、仲介会社に積極的に動いてもらうためのコストとして受け入れる必要があるかもしれません。
※注:宅建業法上は、仲介会社が得られる報酬は依頼者の双方(借り手と貸主)から合計1ヶ月分に制限されています。
ただし、貸主から特別に依頼され、通常必要な広告活動を超える多額な費用がかかることを事前に承諾した場合は、広告費として受け取ることは可能です。
法的には、かなり限定されたケースを想定していますが、「オーナーの了解さえあれば広告料をもらってもいい」と都合よく解釈して、半ば慣習化しているのが実情です。


女性や高齢者・大学生の一人暮らしにおいて、防犯セキュリティの設備は物件探しにおける必須条件。
人気設備ランキングでは、単身向け・ファミリー向けを問わず、セキュリティ関連の設備が人気上位にランクインしていることからも、セキュリティ設備がある方が物件の需要は高くなります。
・オートロック
・モニター付きインターフォン
・防犯カメラ
・センサーライト
・ディンプルキー
・ホームセキュリティ

オートロックは物件によっては設備できない場合がありますが、その他の設備は設備可能な場合が多いです。
特に防犯カメラは、設置してあるだけで視覚的に不審者に警戒感を持たせることが可能であると同時に、住人に安心感を与えることもできます。

生活に便利な設備を設置することは、入居者の満足度を高めるのに効果的です。住みよい物件であれば入居期間も長くなるでしょう。
・エアコン
・宅配ボックス
・ウォシュレット
・室内物干し
・浴室乾燥
・無料Wi-Fi
・家具家電付き

利便性を高める設備の設置は、設置にコストがかかります。
また、設置後もチェックが必要なものがあるので、その点の労力がかかる可能性も踏まえて検討しなくてはなりません。

部屋の内装・設備関連の空室対策は、入居者の満足度を高めるには最も有効的な方法と言えます。
たとえ、築30年のアパートであっても室内がリノベーションされて綺麗な状況であれば、それだけで契約を希望する方もいます。

思い切って間取りを大幅に変えるリノベーションも、コストはかかりますが、古い物件の場合は空室対策に大きな効果が期待できます。
物件を丸々リノベーションすると費用が数百万円とかかってしまうので、コストを抑えたい方は、部分的に行うのがおすすめです。
・水回り
・和室を、フローリングに
・押し入れは、ウォークインクローゼットに
・壁紙をアクセントクロスに


不動産オーナーが安定した収入を得るためには、自身の所有する物件を満室にするための空室対策が必要不可欠となります。
しかし、採算を考えないまま空室対策を実行してしまうと、費用を無駄にしたり逆効果になったりなどのリスクも考えられます。
『なぜ、この物件は空室なのか?』を特定して、様々な方法の中から適切なものを選択して実施することが重要です。
この記事の内容を参考に、ご自身の状況にあった空室対策を選んでみてください。